勝部真一
和歌山県田辺市の地域ラジオ局「FM TANABE(田辺)」が2022年に制作・放送した講談風大河ラジオドラマ「弁慶記」が、優れた放送番組を表彰する第49回放送文化基金賞ラジオ部門の最優秀賞に選ばれた。
放送文化基金賞では、同局の大﨑健志さんが「企画・演出・脚本賞」も受賞した。また、弁慶記は放送文化向上に貢献した番組や個人らを表彰する第60回ギャラクシー賞のラジオ部門でも、大賞に次ぐ優秀賞に輝いている。
弁慶記は、田辺市出身とされる武蔵坊弁慶の生涯を描いたオリジナル作品。1話約10分、全60話を昨年3月から5月に放送した。新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む地域を元気にしたいと制作。講談師の玉田玉山さんを語り部に、プロの声優らがメインキャストを務め、地元住民約70人も「声優」として参加した。中学校の吹奏楽部や地元の音楽隊も演奏で協力した。審査員からは「地域一丸で作り上げた大作」と評価されたという。
7月下旬、制作スタッフ4人が田辺市役所を訪問し、真砂充敏市長に受賞報告をした。市長は「田辺市にとっても名誉なこと。弁慶と田辺のかかわりについて、さらに全国に知ってもらえる」と話した。大﨑さんは「参加してくれた人や支えてくれた人、聴いてくれた人。そういった地元のみなさんのおかげ。これからも地元の人の力になるよう取り組んでいきたい」と話していた。
弁慶記の全話は「FM TANABE」の公式ユーチューブで聴くことができる。(勝部真一)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル